江戸の職人を訪ねる

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つづら 岩井つづら店 岩井良一さん
若い人にはとても人気があるんです。
小物入れ3種

若い人に好まれ、つづらは予約がぎっしり
つづら(葛籠)と聞いてその形や用途がすぐに思い浮かぶ人は、少なくなってしまったのではないでしょうか。外側に塗られた黒や朱の漆がつややかな、竹を編んでつくった蓋つきの四角いかご。昭和30年代の終わりごろまでは、どこの家庭でもきっと1つや2つは使われていたことでしょう。戦前、つづらをつくる店は、関東だけで200軒もあったそうです。それが今は、岩井つづら店を含めて全国にわずか3軒。

岩井つづら店の当主、岩井さんはこう言います。「日本人が日常的に着物を着ることがほとんどなくなったからつづら屋も、ということでしょう。でもつづらそのものは、若い人にはとても人気があるんです。洋服とか小物をしまうんですね」 そのつづらを部屋に出しておいて、和のテイストのインテリアとしても楽しむ。そんなファンにも支えられて、岩井さんがつくるつづらはいつも予約が約200人、4ヶ月から半年待ちなのです。

衣装入れと文庫2種

つづらは丈夫で長持ちなのに、それを支える職人がいない… 竹かごは京都、佐渡、館山の職人から仕入れ、岩井さんはこれらのかごを「塗る」のが仕事です。その前に、かごの外側に昔の質屋さんの大福帳を一枚ずつ切って貼り、内側には別の和紙を貼って、さらに縁を古い蚊帳の生地で補強します。面を強くするのと漆がしみ込むのを防ぐため、外側には柿渋を二度塗りする。柿渋が乾いたらカシュー漆(カシューナッツでつくった染料)を塗って一昼夜乾燥させてから、内側に化粧和紙を貼って完成です。

【資料提供】
『江戸 東京 職人の名品』(東京書籍)

昭和初期の創業以来、軽くて風通しがよく、普通に使って20年から30年はもつほど丈夫なつづらをつくってきたこのお店。しかし、どうやら現当主(4代目)が最後になりそうなのです。「四角いかごを編む人、漆刷毛(はけ)をつくる人がいないんです。手持ちの漆刷毛を使い切ったときが‘そのとき’でしょうか」と岩井さんは話してくれました。道具一式

 
 
  岩井つづら店


岩井つづら店


住所:中央区日本橋人形町2‐10‐1
電話:03‐3668‐6058
営業時間:9:00〜18:00
定休:日曜、祝日